旭市立第二中学校  
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校長月刊感奮講話 令和3年9月

学校教育目標 「希望を抱き、よりよく課題を解決する逞しい生徒の育成」

〜目先の出来事に降り回されず、深い真理を見つめよ〜




「学問と社会はそう大きな違いがあるわけではない」と明治の偉人が言っていたことが書かれた本を思い出しました。しかし、学生時代は、学んだことをテストされ、それができたかどうかで評価される場面が多いが、実際社会に入ると、その修得した知識が使えないと意味をなさないこともあります。「大きな違いはあるではないか」と感じることがしばしばあります。

たとえば、地図には、詳しく地形が描かれているが、実際に行ってみると、地図に描かれていない予想外のこともたくさんあります。しかし、中には、地図がすべて正しいと信じ込み、それに合わないのは現実が間違っていると思ってしまう極端な人もいます。これは、現実より知識を重んじることによって起こる錯覚みたいなものです。

若者が社会の実務を軽視し、実際上の問題を誤解するのも、多くは知識偏重に陥ってしまうケースかもしれません。学校で学んだ知識と実社会との違いに迷い、判断を誤る若者は昔も今も少なくありません。

では、どうすればこの錯覚から免れることができるのでしょうか。

そのためには、いくら前もって用意をしても実際には意外な出来事が多々あると知り、より一層の準備を怠らないようにするべきだ、と渋沢栄一は、「『論語と算盤(そろばん)』が教える人生繁栄の道」という本の中で言っています。

これと同じようなことを講談社の創立者の野間清治はもっと具体的に、おおよそ次のように述べています。

机の上では勉強していると「嘘(うそ)」をつくのは悪いと教わるが、実社会にでると嘘をつかなければならない場合もあるし、あるいは嘘をつくことでうまくいく場合もある。嘘はダメだと思っていても、それを余儀なくされる時期もある。だが、最終的にはやはり嘘はついてはいけないし、「信用」が重要だというところに行きつくものである。またそうでなければ実社会では成功しない−と。

これは非常に重要な指摘です。確かに学校から社会にでると、事前の予想とは違う場面に多々遭遇します。しかし、成功する人はそこでより一層の注意を払って社会を眺め、最後には「やっぱり嘘はダメだ」と再発見すると上智大学名誉教授であった渡部昇一は述べています。

ところが実際は、学校と社会との落差に失望落胆してしまい、自暴自棄になって、ついには「自分なんてもういいや」と思う人もいます。そういう人は、目先の出来事に振り回され、社会を大きく貫く真理を再発見しないまま終わってしまうことになりかねません。

生徒のみなさん、教師である私は、「勉強は重要である」と当然教えます。しかし、社会に出れば、時には勉強よりもうまく要領よく生きるほうが大切なのではないかと思うかもしれません。ところが、さらに長い時間を考えて考え抜いて、実際行動して体験してみると、やはりしっかり勉強してきたかどうかによって適切な判断ができ差がついてくるものなのです。ゆえに、最終的には、学問は大切であり、避けて通れない重要なものである、という結論になります。

人生は一度しかありません。そこで後で将来後悔したくないなら、今ちょっとの時間でも机に向かって、様々な知識を身に付け、「なぜなんだ」と疑問を膨らませ、体験を通してその知識を使ってみる習慣をつけるようにしてください。学んだ知識が、使えるようになったとき、初めて「もっとやってみたい」と意欲が湧くものです。みなさんには、是非、そこまでの深慮を求めたいものです。

※参考文献: 渋沢栄一『論語と算盤』が教える人生繁栄の道 渡部昇一

令和3年9月  旭市立第二中学校校長 加瀬 政美



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